焼却灰等安定化特殊清掃工法(DAIM SC工法)
焼却灰等安定化特殊清掃工法(DAIM SC工法)とは
焼却灰等安定化特殊清掃工法(DAIM SC工法)は、ダイオキシン類無害化技術研究会において行っている有機塩素化合物の分解技術を用い、『焼却灰等安定化特殊清掃工法(DAIM SC工法)』を開発したものです。この基本技術は、脱塩素および還元反応およびコーティング作用の複合技術によって、常温雰囲気の中でダイオキシン類の削減と重金属の非溶出化を一次元的に処理するものです。清掃作業は、ケイ素系混合有機溶液(DAIM-S)を噴霧(湿潤化および高圧洗浄)することで、現位置でダイオキシン類を大幅に削減処理する事ができ、汚染物質の再生成がなく、ばく露テント、洗浄水およびその浄化設備等を必要としないことから、大幅なコスト削減が図れます。
また、焼却施設の解体工事に先立ち、清掃のみの業務としてダイオキシン類対策としての灰の除染作業を実施する事が可能です。このように、高度かつ特殊な施工技術等を必要としないことから、各地域の地元企業において業務を行う事が可能となります(協会会員に限り施工が可能)。
焼却灰等安定化特殊清掃工法(DAIM SC工法)のメリット
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- 付着状態(現位置)のまま、室温にて有害物質を削減できる
- 湿潤化作業により、ゲル化(固化)させ発散防止を行う
- 洗浄水を用いないことから、二次汚染物(汚染洗浄水)の生成がない
- 洗浄水等による汚染物処理費が不要
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- 解体前に有害物質の低減化を行うため、周辺環境に優しい
- 解体工事に伴う特別管理廃棄物が発生しない
- 焼却炉周辺地表に対しても簡便的に修復・改善が可能
- 周辺住民の工事(及び高濃度汚染物質の移送)に対する同意が得やすい
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- 汚染物除去後、レベル1(一般構造物同等)として焼却解体処理が可能
- 暴露防止テント、洗浄水処理設備等不要のため軽備化が可能
- 仮設等の軽備化によってコストの縮小化が可能
- 清掃と解体の分離施工により、大幅な工期短縮と隔年度実施が可能
焼却灰等安定化特殊清掃工法(DAIM SC工法)のフロー
ダイオキシン類の分解(図解)モデルとコーティング
焼却灰等安定化特殊清掃工法(DAIM SC工法)と従来工法との比較
ダイオキシン類無害化技術研究会(産学連携・共同研究)
研究会では、産学共同研究体制において難分解性を示す有機塩素化合物(ダイオキシン類・PCB等)の分解技術の研究を行っております。現段階においては、常温環境(雰囲気)におけるダイオキシン類削減技術を開発し、焼却炉等の解体に先立つダイオキシン類除去作業として行える『焼却灰等安定化特殊清掃工法』により、焼却灰等安定化技術協会を設立しました。
今後は、ダイオキシン類に係る環境汚染物質の削減に関する研究を進め、土壌汚染対策、焼却灰等の仮置き処分場修復、飛灰焼却灰の安定化によるリサイクル、PCB対策など環境保全技術の開発を目指してまいります。
研究会メンバー
- 長崎大学環境保全センター
- 熊本県立大学環境共生学部有菌研究室
- (株)九電工
- (株)ソイック(SOICK共同体)
産業共同研究成果及び本工法業務実績(単位:ng-TEQ/g、pg-TEQ/l・kg)
実施年月 | 対象施設 | 対象物質 | DXN類含有量 (処理前) |
左同 (本作業後) |
削減率 |
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H14.12 | 長崎大学焼却炉 | 煙道部残留飛灰 | 36 (ng-TEQ) |
5.8 | 83.9% |
H15.4 | 長崎県立成人病センター | 煙道部残留飛灰 | 1.3 (ng-TEQ) |
0.14 | 89.2% |
H15.5 | 長崎県立佐世保工業高校 | 焼却炉内残留灰 | 0.38 (ng-TEQ) |
0.54 | - |
H15.7 | 長崎県内一般廃棄炉ばいじん | 集塵機ばいじん | 6.6 (ng-TEQ) |
1.5 | 80.3% |
H15.7 | 長崎県立佐世保商業高校 | 焼却炉内残留灰 | 0.44 (ng-TEQ) |
0.028 | 93.6% |
H15.12 | 西肥自動車大野営業所 | 焼却炉内残留灰 | 8.6 (ng-TEQ) |
1.8 | 79.1% |
H15.12 | 佐世保市亜熱帯動植物園 | 煙道部残留飛灰 | 0.64 (ng-TEQ) |
0.16 | 75.0% |
H15.12 | 佐世保市亜熱帯動植物園 | 煙道耐火煉瓦素材 (溶出液中) |
60 (pg-TEQ) |
9.9 | 83.3% |
H16.1 | 福岡県立伝習館高校 | 焼却炉内残留灰 | 未測定 | 0.12 | - |
H16.1 | 佐世保市黒島町一般廃棄物炉 | 焼却炉内残留灰 | 1.6 (ng-TEQ) |
0.11 | 93.1% |
H16.4 | 静岡県内底質土壌 | ダイオキシン汚染怒張 | 170 (pg-TEQ) |
35 | 79.4% |
H16.8 | 茨城県民間工場焼却炉解体 | 焼却炉内残留灰 | 測定中 | 測定中 | 測定中 |
トピックス(長崎新聞、読売新聞、帝国ニュース、NHK)
佐世保市の(株)ソイックはこのほど、長崎大学などとの共同研究で焼却灰に含まれるダイオキシン類に代表される有害物質を常温環境下、現位置での分解・無害化、また含有重金属を非溶出化する新技術を開発した。
焼却炉の残留灰などを清掃、安定化させるこの技術は、常温環境でダイオキシン類を削減、重金属等の非溶出化を図るもので、小型焼却炉解体なら作業も簡易で、コストも従来工法と比較して2分の1程度に抑えることが可能。また、ダイオキシン類の削減率も分析の結果8~9割削減されたことが報告されている。同工法は大型の焼却炉などにも対応でき、一時保管の焼却灰等の無害化にも対応可能なことから需要はされに高まるという。
同社は長崎大学環境保全センター、熊本県立大学有菌研究室、(株)九電工とH14年に「ダイオキシン類無害化技術研究科」を発足。産学連携での組織強化を図りつつ研究を継続している。
H16年3月3日(水)長崎建設新聞社より抜粋(一部加筆)
ごあんない(事業協同組合設立のお知らせ)
本協会会員の内、長崎県内企業(12社)により、長崎県知事認可による「長崎県ダイオキシン類等安定化処理事業協同組合」が設立されました(H16.8.19設立総会)。今後の地方分権化の推進を睨んだ地場企業(技術)育成の一環として、長崎県中小企業団体中央会のご協力、ご支援により結成されたもので、本技術(事業)の活用による官民需要の確保を目的に、共同受注・受注斡旋事業を行うこととしています。
事業協同組合の結成は、長崎県のほか九州管内各県(福岡・熊本・佐賀・大分・鹿児島)において設立準備が進められており、本協会では、各地域における協同組合と密接な連携を取りながら、各地域の環境保全に努めて参ります。
焼却灰等安定化技術協会(お問い合わせ及び地区連絡先)
協会会員募集中
焼却灰等安定化技術協会
協会本部:〒857-1162 佐世保市卸本町22番3号
TEL:0956-20-9302 FAX:0956-20-9303
URL:http://www.dxn.jp
協会会員 第9421 A 06号
長崎県ダイオキシン類等安定化処理事業協同組合
株式会社 平山組
〒856-0826 長崎県大村市東三城町8-4
TEL:0957-52-2148 FAX:0957-53-4564